子宮頸癌予防ワクチン「サーバリックス/ガーダシル」



●予防接種の内容

子宮頸がんの主要な発がんウイルスである、ヒトパピローマウイルス(HPV16型、18型の感染を予防する不活化ワクチンです。

●予防する病気
子宮頸がんはわが国では年間12000人の女性が発病し、2500(20%)の方が亡くなっているという女性のがんでは乳がんに次いで、2番目に多い病気です。しかも死亡はまぬがれても、進行すれば子宮を摘出しなければならないという、女性にとって耐え難い治療が必要になります。命は助かったが、子どもが生めなくなった。赤ちゃんは助かったが、ママが亡くなった、というような悲劇が後を絶たない悲惨な病気なのです。そのため、このがんは「マザーキラー」とも呼ばれているのです。近年、この子宮頸がんが20歳代後半から30歳代前半の出産時期を迎えた女性に増え問題になっています。しかし、このがんは予防接種とがん検診でほぼ100%予防することができるのです。
子宮頚癌の原因は発がん性のあるヒトパピローマウイルス(HPV16183133455258型などの感染であり、16型と18型がそのほとんどを占めています。このヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンがサーバリックスです。このワクチンを接種することにより、子宮頸がんの6070%が予防できるのです。これで如何にこのワクチンが重要かがわかっていただけると思います。

●接種の方法
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歳以上の女性が対象です(当院での推奨は小学校6年生)。1回目の接種の後、1ヶ月後に第2回目の接種、さらに5ヵ月後(初回から6カ月後)に追加接種を上腕三角筋に筋肉注射で行います(計3回接種します)。このワクチンは筋肉注射ですので、接種後はよく揉んで下さいとお伝えしていましたが、筋肉の挫滅の恐れがあるので
揉まないようにしてください。

セックスデビュー(初回性行為経験)する前の女性は非感染者と考えますので、推奨年齢は小学校4年生から6年生としていますが、成人女性も接種することにより子宮頚癌をある程度予防することが可能です(当院では成人女性の希望者でも接種しています)。

●効果と副作用
欧米の1525歳以上の女性18,000人以上の大掛かりな試験では、4年の観察期間において、これらのウイルスによる前がん病変以上の発病をほぼ100%予防したと報告されています。また副反応は圧倒的に注射部位の症状で、疼痛99%、発赤88%、腫脹79%、全身症状としては疲労57%、筋痛47%、頭痛38%が報告されています。やや副反応の程度は強いようです。
また、昨今起立できないとか、足が勝手に動く等の副反応の報告があり保護者の方も心配されています。これにより接種を見送られている方も多いと思います。当院の基本方針は中学生の間に初回性交渉を持つことが希であると判断し、高校1年生の夏休み前に初回接種することをお勧めしています。ご質問等があれば当院にご相談に来院ください。

●費用

平成25年4月1日から守口市民は定期接種となり無料となりました。適応年齢は小学校6年生(1年早くから接種できるようになりました)から高校1年生までです。

当院の自費での接種料は1回15750円となっています。