【ロタウィルス胃腸炎とは】ロタウイルス胃腸炎は衛生状態に関係なく、ほぼ100%の子どもが5歳になるまでに1度は感染するとされています。また、もっとも重症化しやすい乳幼児の急性感染性胃腸炎といわれ、日本においては、推計すると毎年120万人が発症し、8万人近くがロタウイルス胃腸炎により入院しています。
【感染経路】ロタウイルス胃腸炎は主に糞口経路により伝播します。ウイルスの便中排出は、発症前から始まり、発症後最長57日間持続することが報告されています。口から侵入したウイルスが小腸上皮細胞に付着して感染した後、1、2日の潜伏期間を経て発症します。
【症状】ロタウイルス胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢(非血液性の水様便)、発熱などで、その持続期間は4〜7日です。問題なのは嘔吐や下痢による脱水や、痙攣などが急に発現・進行することもあり、また腎不全、脳炎・脳症を合併する例も報告されています。
【治療】現在ロタウイルスに対する抗ウイルス療法はありません。ロタウイルス胃腸炎の治療は体液管理を中心とした支持療法および対症療法です。経口補液は脱水およびその合併症の管理に有用でが、経口での水分補給が難しい場合は経静脈輸液(点滴)を用います。
【ワクチン】ロタウイルス胃腸炎を予防する経口生ワクチンが“ロタリックス”です。
世界では120ヵ国以上で承認・発売されています(2011年7月現在)。 重症ロタウイルス胃腸炎の発症を92%予防しました。生後6週から接種でき、最短生後10週で接種が完了します。 2回の接種で、ロタウイルス胃腸炎に対する優れた予防効果が認められています。
【副反応】易刺激性37例(7.3%)(物音などに過敏に反応すること)、下痢18例(3.5%)、咳嗽/鼻漏17例(3.3%)でした(承認時)。腸重積に関しては院長にご質問ください。
【接種】1.接種対象者・接種時期
生後6週間以降から初回接種を開始し、少なくとも4週間の間隔をおいて合計2回目を接種して完了。遅くとも生後24週(6カ月)までには接種を完了させることが推奨されます。
2.接種方法
本罪は経口接種のみで、接種直後にワクチンの大半を吐き出した場合は、改めて本剤1.5mlを接種させることはできますが、接種料は再度必要となります。
3.このワクチン接種後は4週間の間隔が必要です。また他のワクチン製剤との接種間隔は既存の方法と同じです。
4.当院では基本的に肺炎球菌、五種混合、B型肝炎ワクチンと同時に経口接種をお勧めします。
5.定期接種ですので接種費用は無料です。
6.予約は通常のワクチンと同様電話で予約できます。