日本では、B型肝炎ウィルスの感染者は約100万人(約100人に1人と推定されます。B型肝炎ウィルスに感染し、慢性肝炎になると長期にわたる治療を要し、最悪の場合は肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。
日本のB型肝炎対策は、キャリア(ウィルスを体内に保有した状態)の母親から生まれた新生児への感染(垂直感染)予防であり、母子感染防止策が1986年から始まりました。しかし、近年父子感染や感染経路不明で乳幼児がB型肝炎ウィルスに感染する例が増えており、母子感染予防だけでは、対策が不十分といえます。さらに3歳以下の子どもが感染すると、キャリア(ウィルスを体内に保有した状態)になりやすく、キャリアになると慢性肝炎、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんになり、また急性肝炎から劇症肝炎を起こし、死に至るケースもあります。
このように、B型肝炎ワクチンはB型肝炎ウィルスが引き起こす様々な病気を予防します。B型肝炎を予防するということは、肝臓がんを予防することにもなります。ちまたでは子宮頚癌ワクチンが話題となっていますが、実はB型肝炎がある意味世界で初めてのがん予防ワクチンです。できるだけ早く赤ちゃんにワクチンを接種して将来の命を守りましょう。

標準接種時期:生後2カ月から開始可能(生後2カ月、3カ月、1回目接種から140日の間隔をあけて接種〜1歳の誕生日前日まで)
標準接種回数:3回
接種費用:平成28年10月1日から公費接種となっています。(1歳になるまでが対象ですので、1歳以上の方は1回4500円で3回で13500円かかります)

知らないままでいいですか?
赤ちゃんのB型肝炎ワクチン