当院でのポリオ不活化ワクチン施行に関して


★このページの情報は不活化ポリオ自費接種(H24年8月末)までに関する情報です。その後不活化ポリオワクチンは公費接種になり現在は五種混合ワクチンに含まれています。三種混合ワクチンしか接種していなくて生ポリオワクチン(経口)を内服していない方は個別に不活化ポリオワクチン(注射)を接種しに来院ください。7歳半までなら公費接種ですので、無料です。


#1
 ポリオってどんな病気!?

急性灰白髄炎 (ポリオ) は、ポリオウィルス(1型、2型、3型)の中枢神経への感染により引き起こされる急性ウィルス感染症で、一般的には、脊髄性小児麻痺と呼ばれることも多い病気です。感染して麻痺が起こると、筋力低下、筋緊張低下及び筋肉萎縮が後遺症として残ります。

日本では1981 年以降、野生株(自然に流行しているもの)によるポリオの発症例は報告されていません。しかし世界中ではまだ、パキスタン、アフガニスタン、インド、ナイジェリアの4ヶ国で流行が続いていて、これらの国から日本にウィルスが持ち込まれ、感染する危険性はゼロではありません。ポリオに感染した場合、治すための有効な治療薬はありません。ポリオに対する唯一の対処方法は「予防」となります。そのため、世界中の国で現在でも、ポリオワクチンが接種されています。

 

#2 ポリオ、三種混合ワクチンの5回目接種の推奨

近年、小学生の「百日せき」が増えています。またポリオ(小児まひ)が現在でも発症している外国から日本への入国者も増加しています。

「百日せき」と「ポリオ」は現在5種混合ワクチンに含まれ、定期接種で4回目接種まで行われていますが、免疫力が徐々に低下し、5歳頃には再び発症のリスクにさらされます。

そのため、日本小児科学会では就学前に「三種混合(百日せきが含まれる)」と「不活化ポリオ」のワクチンを追加接種(5回目)することで、百日せきとポリオの免疫力を高めることを奨励しています。当院としても、就学前のお子さんに「三種混合」と「不活化ポリオ」5回目の接種をお勧めいたします。

百日せきは1歳未満、特に6ヶ月未満の赤ちゃんが罹患すると死に至るケースもありますので、就学前後のおにいちゃんやおねえちゃんが免疫を高めることで、罹患を防ぐことにつながります。

またポリオは有効な治療法がない病気で、重症になると手足の麻痺や、呼吸不全・肺炎による死亡につながります。一度起きた麻痺は回復しないことも多く後遺症が残ります。

残念ながら「四及び五種混合ワクチン(百日せきとポリオが含まれる)」は4回までの接種しか現段階で承認されていないため、「三種混合」と「不活化ポリオ」を別々に接種することになります。また定期予防接種には含まれていないため自費接種となります。詳細は当院にお尋ねください。