今年の4月から診療報酬の改訂されます。テレビや新聞で少しは知っておられるかと思います。基本的には下がりますので患者さんにとっては負担は減少します。小児科に関しては(特に病院では)新生児の入院や時間外診療に対する診療報酬があがります。そうすることで病院から小児科の標榜が消えていく現象を抑えることができます。いままでは、儲からない割には手がかかるため小児科の外来が減ってきていたのです。これで厚生労働省は小児科の救急体制を整えられると考えているようですが全然ピント外れです。小児救急が十分でないのは明らかに小児科医が不足しているからです。ある病院で小児科を24時間365日当直をするとなると最低その病院に7人の小児科医が必要です(アルバイトでもいいですが)。当然看護師も必要ですし、急に入院することが多いのでベッドも空けておかないといけません、また検査が必要となることが多いので検査技師やレントゲン技師も必要です。7人の小児科医をはじめ、その他のスタッフに給料を払うとなるとそれなりの収益をあげなければいけません。少々の診療報酬をあげたぐらいでまかなえるものではないのです。もっと小児救急を充実させるためには診療報酬の大幅な(えこひいきといわれるぐらい)引き上げをすることによって病院側に利益を与え、それによって小児科医のなり手を今後増加させる方向で、もっと大局的に物事を推し進めないといけません。もう1つは、小児科医が開業した時に、現在のように小児科を標榜した医者ではなく、小児科専門医の資格(普通は10年以上小児科に携わっているような医者)をもっている医者に対して診療報酬を患者負担を増やすことなく引き上げてやるような優遇処置をとらないと、小児科医になっても、いざ開業すれば小児科専門医であろうがなかろうが同じ診療報酬では納得がいかないのです。逆に内科専門医でない医者(僕のような医者)が成人を診察治療したときには、当然内科専門医と同じ医療をしても診療報酬が少なくても文句を言わないような制度を作ってもっと抜本的に小児科医を守ってやることが、小児科医の増加を促しやがては小児救急をも十分に施行していけるようになると思っています。

3月11日(木)
独り言