新聞やテレビで見られた方もいるかもしれませんが、こどもとテレビの関係について話題になっています。
どういうことかというと”乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です”という話です。最近、小児科医や発達の専門家から、言語発達や社会性の遅れがある幼児の中に、テレビ(ビデオを含む)を長時間視聴しており、テレビ視聴を止めると改善が見られる例があることが報告され、テレビの長時間視聴が発達に悪い影響を及ぼす可能性が指摘されています。日本小児科学会のある委員会が1歳6ヶ月の幼児1900人を対象に調査した結果長時間視聴は1歳6ヶ月時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があること、特に日常やテレビ視聴時に親子の会話が少ない家庭の長時間視聴で有意語出現が遅れる率が高いこと、このようなテレビの影響にほとんど親が気づいていないことが示されました。現代社会は少子・核家族化、携帯メールやインターネットの普及などによって、家庭内でも会話が少なくなり、言語発達に問題をもつ子どもの増加が予想されます。乳幼児期は言語発達に重要な時期であり、テレビ視聴の影響についても、親も社会も認識して対処していく必要があります。
 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会では、下記のような提言をしています。
 @2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。
 Aテレビはつけっ放しにせず、見たら消しましょう。
 B乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。
 C授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
 D乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。
 E子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。

この委員会の話では、対象は乳幼児で、またテレビ・ビデオに限定していますが、この解釈をもっと広げてみてください。言語発達や社会性というのは、小学生でも身につけなければいけないことです。結局、お父さんやお母さんは、日頃子どもと会話をしていますか?ということが問題になっているのです。ただ単にテレビをつけなければいいということではないのです。特に最近は少子化、核家族化がすすんでおり、兄弟で話すのも少ないし、おじいちゃんやおばあちゃんと話すことも、いやもっとわかりやすくいうと話す機会が少ないのです。だから両親が昔よりもっと兄弟や祖父母の代わりに子どもと会話しなくてはいけないのです。
確かに、お父さんも、されに共働きをされているご両親にとって、話したくてもゆっくり子どもと話す時間がないといわれる方が多いと思いますし、また何を話ししたらいいのかわからないとおっしゃる方もおられるでしょう。僕も勤務医時代は子どもが寝ている時間に家をでて、帰ってきたらもう寝ているということもありました。実際、僕が皆さんにえらそうに言えるほど子どもとの会話が充実していたかといわれると、とてもじゃないですが胸をはってお答えできるほどではありません。でも心がけていたことは、”おはよう””おやすみ””ありがとう”のささいな言葉でも必ず返事をするように、また子ども達には返事をさせるように注意すること、できるだけ子どもと一緒にお風呂にはいることです(親子でも裸の付き合いは重要です)。それぞれの家族で事情が違いますから、一概にこれがいいという方法はありませんが、是非とも子どもと少しでも会話するためにはどうすれば良いかとそのための、努力目標をたててもらって、子どもの成長を助けてあげてもらいたいと思います(これは自分に対する戒めでもあります)。
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5月9日(日)
独り言