独り言
5月9日(日)

当院では、もし小学校就学までに幸か不幸かおたふく、水痘に罹患しなかった場合は就学前時に積極的に当該の予防接種を受けてもらうよう指導しています。最大の目的は、予防接種をしないで成人になってからおたふく、水痘に罹患すると重症になったり、合併症(成人男子がおたふくに罹患すると不妊症になってしまうことがある)を併発する恐れがあるからです。しかし現在のところ任意接種のため自費扱いになっています。

ところが、患者さんにとっての朗報が届きました。去る10月15日に厚生労働省の予防接種に関する検討会」の初会合が開かれ、2006年の予防接種改正に向けて、おたふく、水痘の任意予防接種や肺炎球菌の予防接種(アメリカではとっくの昔から行われています)を定期接種(公費負担)に追加するよう提案されました。

このことはどういうことかといいますと、2006年(何月かはわかりませんが)中におたふくと水痘の予防接種はうまくいけば、無料で受けられるようになることを意味しています。ただし、あくまでも提案事項ですので、結局採択されなかったり、採択されても一部自己負担ということはあり得ます。

ここで、お母さんには2つの選択肢を選んでもらうことになります。
@約2年後に無料になるなら、それまで待ってみる。
A約2年待っても、結局この提案がお流れになって、自己負担で受けることになるかもしれないし、それまでの期間におたふくや水痘に罹患する可能性がある。この財政難の中そう簡単に無料になるとは思えないので、罹患しないように予防接種を受ける。
一度よく考えてください。

よ〜く考えよう〜、お金は大事だよ。(お金の代わりに健康の方が大事だと思いますが)

今回の提案は私が前から思っていたことでした。是非少子化時代に少しでも子供の健康を守ることを考えていただいて、今後検討していただきたいと願いますが...。 

ここからは、院長の独り言です。もし、予防接種を改正するのであれば、子供のインフルエンザの予防接種も定期接種に組み込めとはいいませんが、一部負担するべきです。現在65歳以上の老人は、免疫力の低下に伴いインフルエンザが致死的な病気となると考えられるため1000円の自己負担でインフルエンザの予防接種を受けられます。致死的になるかどうかは別問題として、それならば乳幼児も免疫力が低いという点では同等に扱ってやるべきで、実際インフルエンザ脳症に罹患するのは小学校前の乳幼児が多いのです。これは、どうみての片手落ちです。先日もこの旨厚生労働省に意見したのですが、いつもと同じく「ご意見ありがとうございます、今後の検討課題とさせていただきます」というどこまでやる気があるのかわからない返事でした。これにめげずこれからもどんどん意見をするつもりです。お母さん方も素人だからと思わないで、厚生労働省に意見してください。数が増えれば先方も少しは真剣に考えてくれるかもしれません。