とにかくカキやハマグリの料理は85℃以上で1分以上の加熱をしてください。非常に感染力jが強いので食品だけではなく包丁やまな板、ふきん等の洗浄消毒も必要です。また吐物や糞便処理した際には入念に石鹸で手洗いを励行し、ちょっとした隙に患児が自分のお尻などに触れる場合もありますから、その疑いのある時は患児の手も十分に洗ってください。嘔吐物、糞便は乾燥すると空気中にウィルスが飛散することも考えられますので、速やかに処理することが重要です。。

予防

治療

経口的にウィルスが体内に侵入してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は約2日程で、主な症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱で、発熱は微熱程度から39℃を超える高熱のこともあります。通常3日以内に症状は軽快しますが、低年齢(3歳未満程度)の患児は、下痢はひどいと1〜2週間持続することもあります。ただし本人は食欲もあり結構元気です。

症状

毎年11月以降になると”吐き下しの風邪”とか”腸風邪”と呼ばれる感染性胃腸炎が流行します。原因はノロウィルスと呼ばれる小さな粒状のウィルスで、他の食中毒細菌(サルモネラ等)とは異なり食品中ではなく、人の腸で増殖します。このため、人から排出されたウィルスが河川を経て海にたどり着き、カキやハマグリ等の二枚貝の内臓に蓄積され、これを食することによって人に再感染すると考えられます。
ただ、市中で流行しているパターンは食中毒ではなく、感染者の便や吐物に含まれているウィルスが主に糞口感染やまた乾燥した便や吐物から空気中に飛散することによって感染が広がります。

ウィルス感染ですから特効薬はありません。基本的には対症療法ですので、発熱には解熱剤、嘔吐には鎮吐剤(これには意見のわかれるところですが)、下痢には止痢剤を投与します。一番の難問は脱水症状です。全然水分補給ができないか、水分摂取する度に嘔吐しているようだと早ければ半日で脱水状態と成り得ます。この時は点滴が必要となり重症であれば入院となることもあります。水分はコマ目に少量ずつ経口摂取させてください。嘔吐している時は無理に食事は取らせない、下痢をしていても止痢剤は内服させないでください。水分を取って嘔吐するような児が固形物や止痢剤を取ったり内服してもほとんど嘔吐してしまいます。少し固形物(おかゆ、りんごの擂ったもの、柔らかいうどん等)が摂取できて、且つ嘔吐しないようであれば摂取、内服し始めてください。手洗いやうがいはしっかるするように子供さんに教えてあげてください。患児がおなかが減ったと訴えても、急にたくさん食べると、必ずといっていいほど嘔吐しますので、水分と同じように少しづつ与えてください。どうしてもといって聞かない場合はとりあえず少し血糖を上げる意味であめ等をなめさせておいてください。

感染性胃腸炎