テレビでレット症候群の番組があって以来何人かのお母さんが心配になりご質問がありましたのでこの病気の一般論を載せることにしました。ただし、このような病気は確定診断が非常に難しく必要以上の自己判断はしないでください。日本では約15000人(女児のみ)に1人ぐらいの割合で発症するような稀な疾患ですが、どうしても心配ならご相談ください。

<定義、概念>
   乳児から幼児期の女児に発症する原因不明の精神運動発達障害で、小頭症、失調性歩行等に加え、手揉み様の特異な不随意運動を呈する疾患、編成疾患と考えられているが、非家族性。
<症状>
   妊娠、周産期そして少なくとも生後6ヶ月までは発達正常で、6ヶ月から4歳までに、@小頭症、A行動異常、B精神運動退行が現れ、C進行性痴呆(?)となる。1から4歳の間にD手先の使用が不能となる、E手をひねる様な、手を洗うような不随意運動が現れ、またF次第に失調性の歩行となる。

@出生時は正常の頭の大きさだが、生後半年以降に発育が悪くなり大きくなりにくい。
Aコミュニケーションが上手に出来なかったり、ハイハイや、四つ這いやつかまり立ちが遅れたり、いわゆるフロッピーインファントと呼ばれる身体が異常に柔らかい(グニャグニャ児)、また逆につっぱったように筋肉が硬くなる。また過呼吸や自閉的傾向も見受けられる。口元がチュパチュパモグモグといった動き。
B精神の退行は保護者での判断は困難で、運動の退行は寝返りできていたのに出来なくなったといった赤ちゃん帰り的な状態を指す。
Cけいれん発作や脳波異常等。知脳の高度低下。
D手先の器用な動きが出来ない(おもちゃを握っていてもすぐに落とす等)
Eその他に身体の中央部で両手を絡ませたり、たたき合わせたり、手を口に入れたりといった不随意(無意識の内に)運動。
F立ったり、歩いたりが全然できないかうまくできない。

尚、レット症候群に関するリンク(診断基準等が載っています)を貼りますのでよろしければご覧ください。

Rett(レット)症候群