溶血性連鎖球菌感染症(略して溶連菌感染症)というのは、かかりはじめの症状が風邪によく似ています。風邪のように、2〜3日で熱も下がり、のどの赤みもとれ治ったように見えます。しかし、きめられた期間薬をのみ、きちんと治しておかないと、急性腎炎(一番起こりやすい合併症ですが、それでも200人に1人ぐらいです)やリウマチ熱などの治りにくい病気を引き起こすことがあります。
 溶連菌感染症は、早く見つけ、早く適切な治療をすることが必要なため、当院では「溶連菌感染症」が疑われた場合はには、検査(綿棒をのどにつっこんで菌を採取するのですが、少し嘔気を伴います)を行っていますので、お母さんのご理解とご協力をお願いします。
 なお、検査の結果、溶連菌感染症と診断された場合には、指示された期間、きちんんとこどもに薬を飲ませることが大切です(飲み忘れた場合は飲みきるまで飲んでおいて下さい)。2〜3日で症状が消えたからといって、油断して薬を勝手にやめたりしないで下さい。

 正式名はA群β溶血性連鎖球菌といい、2〜7日の潜伏期間を経て高熱やのどの腫れや痛み、時に腹痛や嘔気を伴います。病気が進行すると細かい赤い発疹(かゆみを伴うことがあります)が首、胸、わき、下腹部に出現し、全身にひろがることもあります。また、舌の表面にブツブツができ、いちごのようになります。
 抗生物質を最低1週間(症状により2週間飲むこともあります)内服してください。早ければ翌日から翌々日には解熱しますが、登校や登園は解熱(38℃未満)して24時間たてば可能です。学校や幼稚園によっては治癒証明書が必要なことがありますので、当該施設に問い合わせていただいて、必要であれば解熱して丸1日たってから再診してください。
 最後に当院では、急性腎炎の早期発見のため後日尿検査を行っています。発症後3〜4週間後の期間に朝一番の尿を採って当院に持参してください(当日は診察はありませんので本人は連れてくる必要はありません)。通常一両日中に検査結果を電話にてお知らせします。異常があればなるべく早く本人同伴で再診してください。なお不明な点があればご質問下さい。

溶血性連鎖球菌感染症