13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー

★プレベナーは、肺炎球菌感染症を予防する唯一の乳幼児向け肺炎球菌ワクチンです。
★プレベナーは、90種類以上ある肺炎球菌の血清型から、小児において侵入性肺炎球菌感染症を引き起こす可能性の高い7つの血清型(7価)を選んでワクチン化したものです。この7価は、より重症度の高い疾患(敗血症、菌血症など)の原因のほぼ8割を占めています。肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌によって引き起こされる疾患で、代表的なものに菌血症/敗血症、髄膜炎、細菌性肺炎、中耳炎があります。
このうち最も恐ろしいのは細菌性髄膜炎で、わが国では年間1000人ぐらいの子供が発病していると推定されています。肺炎球菌の髄膜炎は、小児の細菌性髄膜炎全体の約30%を占め(Hib髄膜炎は60%。この2つの細菌で全体の90%となる)、症状や後遺症はHibよりやや重く、死亡が10%前後、後遺症が40%に残ります(Hibは死亡が5%、後遺症が25%といわれています)。Hibと同様、初期の診断は困難で、けいれんや意識障害を起こし、抗生剤の効きにくい耐性菌が多く、治療は困難を極めます。やはり、肺炎球菌が起こす、菌血症/敗血症や肺炎、中耳炎も抗菌剤が効きにくいため、重症化しやすいといわれています。

2000年よりプレベナーを小児期の定期接種ワクチンとして導入した米国では、導入前と比較し、ワクチンに含まれる肺炎球菌の血清型による髄膜炎、菌血症の発症が6%以下に減少したことが既に確認されており、プレベナーがもたらす疾患予防効果が実証されています。

★接種開始の年齢により接種回数が異なる
1)
生後2か月〜6か月:合計4回; 1回目から4週以上の間隔で2回目、2回目から4週以上の間隔で3
回目、3回目から60日以上の間隔でおおむね生後12-15か月に4回目
2)
生後7か月〜1歳未満:合計3回; 1回目から4週以上の間隔で2回目、2回目から60日以上の間隔でおおむね12-15か月に3回目
3)1
歳:合計2回; 1回目から60日以上の間隔で2回目(1回目からおおむね3ヶ月後
4)2
5歳未満:合計1


★同時接種可能
当院ではプレベナー、アクトヒブ(Hib)と四種混合ワクチン、B型肝炎ワクチンの同時接種を施行しています、1回受診で4本接種するので本人にはそれなりの負担がかかりますし、もし副作用が出現した時はどのワクチンの副作用かの判断はできないという短所はありますが、1歳未満の子供において4種類のワクチンを別々に接種するということはBCGを含め、スケジュールを組むのが非常に困難なのと、最大合計12回病医院を訪れなければいけません。それを3-4回で済ませてしまえる長所があります。当院では積極的に同時接種する方向で進めていきたいと考えています。